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今ブログでよくご紹介する通り、国内の農業現場では、高齢化の進行や後継者不足による労働力不足が深刻化しています。
一方、熟練者の手作業でなければできない作業も多く、省力化も営農上の重要な課題です。農業現場の課題を技術革新によって克服するために、スマート農業の推進が始まりました。
無人トラクターをはじめとする、GNSSの測位情報を利用して自動走行するロボット農機(スマート農機)を活用する農家も増えています。実用化されているロボット農機の一部を紹介します。
無人トラクターとは、専用のタブレットPCで登録した作業エリアと走行モードに基づき、自動で走行するトラクターです。無人走行に対応するため、レーザーや超音波ソナーで障害物を検知するしくみや、ほ場の外周に合わせて旋回できる自動操縦機能も搭載しています。
無人トラクターの位置は、GNSSから受信する位置情報と地方自治体・JAなどが設置する基地局から受信する補正情報により高精度で特定され、誤差は数センチ以内です。GNSSとは衛星測位システムの総称で、GPSも含まれます。
現状では、ほ場周辺での有人監視下における自動走行に対応しています。将来的には、遠隔監視による無人走行やほ場間の移動にも対応できる予定です。なお、2020年に道路運送車両法が改正され、灯火装置や反射器の装着など一定の条件を満たしたトラクターであれば、作業機を装着したままの状態で道路を走行できるようになりました。
無人トラクターでできること・メリットは
無人トラクターは遠隔操作での運転だけでなく、作業者が乗った状態での自動運転にも対応しています。あぜ際の回り耕など有人での操作が必要な工程は残るものの、熟練者でなくても精度の高い作業ができるので、農作業の省力化につながるのがメリットです。
無人トラクターと有人トラクターとで協調作業を行ったり、別の農業機械を操作しながら無人トラクターの作業状態を監視したりできるので、作付面積が広い農家でも効率よく作業を進められます。
また、従来の有人トラクターと同様に耕うん・耕起用のロータリーなどの作業機も接続可能です。作業機の動作も専用のタブレットPCでコントロールできるトラクターもあります。
無人トラクターの導入により、労働力不足や農業技術の承継などの課題を克服しながら、ICT技術を活用したスマート農業を実現できます。有人運転の農業機械と協調作業を行うことで作業効率が高まり、営農規模を拡大できた農家もみられます。
無人トラクターの価格は最低でも1000万円台前半と高価ですが、省力化や収益拡大など機械の導入によって得られるメリットは大きいですね。