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近年はIT革新としてAIやアプリケーションなどが注目されています。
ITやAIの進化によって我々の生活は便利になっていますが、それは農業の世界でも同様です。すでに栽培管理や病害虫診断など、農業の生産性向上に役立つアプリがたくさん登場しています。しかし、種類が多すぎて自分の課題を解決するアプリがどれかわからず悩んでいる農家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は農業経営の流れで活用していただきたいおすすめのアプリをご紹介します。
栽培管理・生育管理
アグリノート(agri-note)
農業日誌・圃場管理ツール「アグリノート」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社スカイマティクス、ウォーターセル株式会社 ニュースリリース 2018年7月11日)
アグリノート(agri-note)の特徴は、使用する端末ではなくインターネット上にデータが保存されるため、組織単位で簡単に情報を共有できることです。法人組織など、複数の人が作業する大規模経営において特に役立つアプリとなっています。
機能面では航空写真をもとにしたほ場マップで、作業内容や作物の生育状況をいつでも確認できます。マップ上に表示されるほ場は色鮮やかなカラーリングで区分けされるため、視覚的に判断しやすいのもメリットです。パソコンとスマホの両方に対応しており、ほ場にいながらにして過去の栽培履歴を確認することもできます。
ほ場管理・収量マップ
xarvio
衛星画像とAIを活用した栽培管理最適化プラットフォーム「xarvio フィールドマネージャー」
出典: BASF SE「xarvio フィールドマネージャー」
xarvioは衛星データからの解析によってほ場の状態を把握し、栽培方法についてより最適なアドバイスをくれるアプリです。25年以上の年月をかけて蓄積した天候や作物に関する膨大なデータと経験に基づく農家の知識を組み合わせて状況分析を行っています。
衛星から送られるデータを過去のほ場データと突合し、場所ごとに必要な施肥量を推定してくれる「施肥支援」、病害虫が発生しそうなリスクをいち早く察知して注意を促してくれる「防除支援」といったサービスがあるのも魅力です。
ほ場で撮影した作物や雑草の写真を撮るだけで異変を検知する「xarvio SCOUTING(ザルビオ スカウティング)」と連携することもできます。
情報収集
agmiru(アグミル)
オープンイノベーション農業プラットフォーム「AGMIRU(アグミル)」の新サービス「農家コミュニティ」
出典:株式会社PR TIMES(SBテクノロジー株式会社 ニュースリリース 2019年12月20日 )
agmiru(アグミル)は、天気予報や市況状況、肥料辞典、資材購入など農業経営に関係するさまざまな情報を収集できるアプリです。作業管理やコミュニティでの情報共有にも使えるので、栽培管理アプリとしても使用できます。初期設定が不要な点もすぐに始めたい人にとって大きなメリットでしょう。
さらに、LINEの「アグミル TALK」と友達になれば、チャット形式の質問に答えるだけで作業記録が作成できる点も便利です。現在はベータ版で一部機能しか利用できませんが、便利そうだと感じた方は今後のリリース状況をチェックしてみてください。
農薬
農薬検知アプリ
農薬検索アプリはその名の通り、ほ場で使用する農薬の種類や適用病害虫などを手軽に検索できるアプリです。このアプリの特徴は登録やインストールが不要な点で、インターネットに接続できる環境であれば誰でもすぐに確認できます。頻繁に使用する農薬がある場合は、お気に入り登録すれば検索する必要もないので便利です。
また、農薬以外にも病害虫や農業に関するニュースを配信しているので、幅広い面で栽培管理に役立ちます。提供元は栽培管理・生育管理に役立つアプリで紹介したアグリノート(agri-note)と同じウォーターセル株式会社で、アグリノートと連携して使える点も魅力です。
病害虫診断
アグリショット
アグリショットはLINE上で病害虫名をAIが自動診断してくれるサービスです。アプリをインストールする必要はなく、LINEでアカウントを友達に追加すれば利用できます。利用方法も簡単で、病害虫の被害が疑われる果実の写真をアグリショットのトーク画面に送れば数秒で結果がわかります。
診断してくれる作物は柑橘類やイチゴ、トマト、ナスだけですが、それらを栽培している農家なら利用してみる価値はあるでしょう。
販促
ポケットマルシェ
生産者と消費者を直接繋ぐアプリ「ポケットマルシェ」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社ポケットマルシェ ニュースリリース 2020年5月11日)
ポケットマルシェは生産者が誰でも簡単に出品できることを目的に開発されたアプリで、全国の農家だけでなく漁師も参加しています。このアプリのメリットは、すべての作業がスマホで完結する上、消費者と直接コミュニケーションがとれる点です。
請求は不要で売上金はアプリ運営会社から直接振り込まれるため、入金の心配をする必要もありません。また、販売した作物の感想が届くなど、消費者と手軽につながることもできるので、自園の作物の魅力を積極的にアピールしたい人にもおすすめです。
求人
農How
農作業マッチングアプリ「農How」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社アグリトリオ ニュースリリース 2021年6月1日)
農Howは繁忙期など、一時的に人手が欲しい農家に重宝されるアプリです。短期間でも働きたいユーザーと、忙しいときだけスポット的に働き手が欲しい農家のニーズにマッチした求人アプリとなっています。
働き手は動きやすい服装で現地集合してくれるので、農家が送迎などの問題に悩まされない点もメリットです。ただし、2021年11月時点でのサービス提供エリアは愛知県東部と静岡県西部の三遠地方のみとなっています。
いかがだったでしょうか。農業アプリはいまご紹介したアプリ以外にもたくさんの種類があります。それぞれの用途に応じて使うことで作業効率や今まで出来なかったことまで簡単にできる可能性もございます。
自身の課題にあったアプリを探してみてくださいね。
当たり前ですが、何かを生育する際に害虫が発生するのは当然のことです。
カメムシ類はイネ科やマメ科のほか、トマトなどの果菜類も食害する吸汁性の害虫です。トマトに付くと果実を吸汁され商品価値が下がったり、傷口から腐敗したりすることもあり収量に大きく影響します。本日はカメムシ類の被害を防ぐ対策をご紹介します。
トマトの被害症状
カメムシ類は種類が非常に多く、ほとんどが広食性ですが、好んで吸汁する植物はそれぞれ異なります。主に果樹を好む種、水稲などのイネ科や大豆などのマメ科作物に付く種、ナス科やヒルガオ科の植物を好む種などさまざまです。
カメムシ類がトマトに産卵し繁殖するケースもありますが、多くの場合は、周辺の麦類・大豆のほ場や雑草で繁殖し、その場所の成虫密度が高まるとトマトに飛来して食害します。
また、幼虫・成虫ともに、茎や果実を渡り歩きながら次々と食害するので、1匹で多くの葉や実に被害が出ます。
葉や茎への吸汁は、大発生しない限り目立った被害にはなりません。ただし、未熟果を吸汁されると、はじめは食害痕は目立たないものの、果実の肥大に伴って変形したり、黒っぽく変色して腐ったりします。反対に周囲が白っぽく退色して着色が悪くなることもあります。
また、食害痕の内部がスポンジ状になってそこから腐りやすくなるため、商品価値は大きく下がります。大発生した場合は株そのものに生育不良や萎れが見られ、収量の減少につながります。
カメムシの発生しやすい時期・条件
カメムシ類の越冬成虫は周囲の畑や雑草の中で4月頃から発生し、夏期になるとトマトのほ場に飛来します。ハウスよりも露地に発生しやすく、11月まで見られます。ハウスでは9〜10月頃、露地では8〜10月頃に発生が増加します。
種類にもよりますが、温暖な気候を好むカメムシ類が多く、高温乾燥の夏には多発する傾向があります。
トマト栽培において、カメムシ類は少数であればそれほど深刻な被害にならないかもしれません。しかし、夏場に増殖すると株を弱らせたり、果実の商品価値を損なわせたりするので、発見したら放置せず、早めに有効な農薬を散布するなどの防除対策が必要です。
特に大規模なほ場では、気づくのが遅れて大発生しないように日頃から観察し、早期発見・防除対策に努めましょう。
収量を上げて利益も上げたい。でも大きな手間やコストがかかるのは面倒くさい。。
そんな生産者の方は多いとは思います。(・・・というかみんなそう思っているのでは?笑)効率的かつ効果的な収量アップ方法の1つ「可変施肥」の仕組みと手軽・安価に実現する方法をご紹介します。
昨今、ドローンのリモートセンシングデータを基にした可変施肥アプリや、可変施肥に対応したスマート農機が開発されています。
そして、可変施肥の導入により、収量アップやコスト削減を実現した事例も増えているようです。
今回は、可変施肥の収量アップ効果や始め方をわかりやすくご紹介します。
愛知県「農作物の施肥基準【2021年3月改定】」所収「Ⅱ 施肥の基本と考え方」よりminorasu編集部作成
上記の表は、施肥量と収量の関係を表したものです。
基本的に施肥量に比例して収量は上がりますが、施肥量が一定のラインを超えて最高収量域に到達すると収量は横ばいになり、その後、収量は減少します。
ですので、最も小さい施肥量で収量が最大になる「最適な施肥量」を選び取ることが、効率よく収量を確保するための基本となります。
その「最適な施肥量」のベースとなるのが、自治体の施肥基準です。県によっては、作物別・地域別・品種別・土質別に基肥と追肥のバランスまで細かく示しているところもあります。
でも、これだけでは「最適」にはなりません。
実際のほ場には地力ムラがあるため、最適な基肥量は、地力の低い場所は少なく、高い場所は多くなるはずです。
また、追肥の量は、基本的に作物の生育状況を見て判断します。ですが、地力ムラがあれば生育ムラも出やすく、最適な量はやはり場所によって変わってきます。
このように、ほ場毎・あるいはひとつのほ場の中でも地力や生育状況が異なるため、場所ごとに最適な施肥量は違ってくるということになります。
収量アップやコスト削減につながる「可変施肥」の仕組み
ほ場毎、あるいは1枚のほ場の中でも、場所によって異なる地力や生育状況にあわせて、場所ごとに最適量の施肥をするのが「可変施肥」です。
出典:ヤンマーホールディングス株式会社「ヤンマーテクニカルレビュー」よりminorasu編集部作成
基肥を均等に施した場合、地力が高い場所は品質が低下したり、地力が低いと収量が減りやすくなります。ですので、ほ場毎・あるいはほ場内の地力ムラを正確に把握し、場所ごとの地力に応じて施肥量コントロールすることが可変施肥のポイントとなります。
地力を考慮して基肥を行っても、どうしても生育ムラが発生することがあります。生育ムラがあると、追肥の効きや場所によって差が出て、最終的な収量にも、等級や食味にも影響します。そのため、生育ムラにあわせて、最適な場所に、最適なタイミングで、最適な量の追肥を行うことが重要です。
このような形で可変施肥を実施することで「収量アップ」と「コスト削減」が期待できます。同時に、最適な施肥は「品質向上」にもつながります。
地力ムラを正確に把握して施肥量をコントロールすれば、ほ場全体の作物に過不足なく養分が届いて収量や品質が向上します。
また、生育状況を見て生育の悪い場所にだけ追肥を行えば、収量や品質の向上だけでなく肥料コストの削減も期待できます。
このツールは、Webやスマートフォンアプリの可変施肥ツールを利用して実施することも可能です。
多くの可変施肥ツールは、衛星画像などのデータを基に、ほ場内の地力や生育状況を可視化します。そのため、高価な農機は不要で、月1,000〜2,000円程度と低コストで導入できるものもあります。また、スマホやパソコンで手軽に利用できる点も魅力です。
ただし、ツールによっては、地力や生育状況を自身で確認する必要があるものやドローンなどのセンシング機器が必要なものもあるため注意しましょう。
いくら可変施肥で収量が上がっても、初期投資費用やランニングコストによって赤字になっては元も子もありません。特に小規模農家や新規就農者の方には、低コストで導入でき、手間がかからず、そしてデータを活用できる「可変施肥ツール」がおすすめといえます。
今回ご紹介するところは十勝の絶景の代名詞でもある「十勝岳」です。
北海道美瑛町にある「十勝岳」は、標高2,077mの活火山です。昭和63年の噴火によってふもとの白金温泉が閉鎖され、登山も禁止になりました。
平成2年に解禁となりましたが、噴火のたびに地形が変化して登山道が変わり、火山灰で道がはっきりしない部分もあります。
一般的には望岳台が登山の出発点となり、頂上までは約4時間です。以前使われていた前十勝経由のコースは登山禁止ですが、上ホロカメットク山や美瑛岳側からのコースは利用できます。
頂上からは、大雪山やトムラウシ山、東大雪の峰々などが一望でき、足元からは白い噴煙が立ち昇り硫黄臭が漂います。
国産作物の海外マーケット進出に向けて、販売する作物の策定や販路獲得、販促のためのマーケティング、品質を保つ流通経路の確保など、解決すべき課題は多くあります。
日本農業の多くは主に中国や台湾、タイなどの東南アジアへの輸出を行なっており、中国や台湾では春節と呼ばれる旧正月の祝いには「赤いもの」を飾る習慣があり、春節にりんごを食べると1年間健康に過ごせるといわれていることから、りんごの需要が高くなります。
香港では日本の食をPRするイベントが開かれ、ショーケースには日本料理店の弁当が並んでいました。
日本の農林水産物・食品の輸出額は年々、増加していて、去年は1兆4148億円と過去最高を大きく更新しました。日本の食が改めて世界に注目されています。 去年、輸出額が目立った主な品目は青果物やウイスキー、ホタテです。海外での家庭消費が拡大した青果物は474億円、知名度の向上が追い風となったウイスキーは560億円、アメリカや中国への輸出が拡大したホタテは910億円になりました。
このように、各国でニーズの高い作物を調査し、現地のバイヤーや小売店などの販路を開拓していくことがとても重要です。
こうした中、特に世界で今、注目されている日本の食材は「こんにゃく」です。
英語では「Konjac(コンジャック)」と呼ばれていて、ヨーロッパではビーガン、いわゆる動物性の食品を口にしない人に人気で、ラーメンの麺などにアレンジされたものが人気だといいます。
例えば他にも、こんにゃくジャーキーやこんにゃくわらび餅などもあります。 加工したこんにゃくを多く生産しているのは、こんにゃく芋の生産量が全国の9割以上を占めている群馬県です。アメリカのスーパーの担当者が工場を直接訪れ、新商品を共同で開発した会社もあり、「枝豆こんにゃく」という商品がアメリカのスーパーに並んでいます。 群馬県によると、こんにゃく製品の昨年の輸出額は約3億円で、9年前と比べると4倍になっているということです。
日本の食の輸出が好調な一方で、日本全体を見ると貿易収支は赤字が続いています。これを少しでも改善させるカギとなってくるのが、食の輸出というわけです。
やはり海外市場に合わせて、日本の食を輸出していくことが重要です。
海外に日本の食品を、世界の方に愛される日本食であり続けられるようにしていきたいと思います。
食品の輸入に依存し、輸出額が少ない日本
皆様も知っての通り国内の食料自給率は長年減少傾向にあり、一般消費される食品や食料減量など、多くの部分が輸入に依存しています。
一方、食品生産額に占める輸出額の割合は少なく、農林水産省が発表した「令和3年度 食料・農業・農村白書」によると、令和3年(2021年)の農林水産物や食品の生産額に占める輸出額の割合は全体の2%となっています。アメリカ(12%)やフランス(28%)、イタリア(21%)と比較しても低い水準となっています。
諸外国と比較して、食品の輸出額の割合が低い日本ですが、日本の食品は日本在住の外国人からの評価が高く、輸出のポテンシャルは高いといえそうです。
2016年に独立行政法人日本貿易振興機構が発表した「日本在住外国人による品目別日本食品評価調査」では、「健康的」「味がおいしい」「安全性が高い」といった評価を得ていることもわかっています。
中でも、日本産の米を好む人は9割を超えており、トマトやジャガイモ(馬鈴薯)といった野菜も高評価を得ています。
農林水産省が公表した「令和3年 の農林水産物・食品の輸出額」によれば、令和3年(2021年)に、日本の農林水産物・食品の輸出額は初めて1兆円を突破しており、徐々に日本産食品へのニーズは高まっているといえるでしょう。
しかし、その内訳の大部分は加工食品や畜産品であり、米や野菜の割合はまだまだ低く、日本産作物の輸出状況は芳しくないのが実情です。
日本国内では、国産作物の安全性や品質の高さが、需要に繋がっております。
しかし、日本の人口減少や安い海外産作物の流通により、国産作物の国内での販売は、ますます競争が激化していくと考えられます。
前述のとおり、外国人からも高い評価を得ている国産作物の海外輸出が増加すれば、国内で需要を奪い合うのではなく、新たな市場で利益を獲得できる可能性を秘めています。
儲かる農業が実現できれば、効率的な栽培のための設備投資や人員増加も可能になるなど、国内の農業を活性化させる足掛かりとなることが期待できるのです。
次回は海外マーケット進出を成功するポイントをご紹介しますのでお楽しみに!
帯広市民なら必ず一回は行ったことがある公園。
緑ヶ丘公園です!
自然豊かでボートや水が出る遊具がある公園です。
帯広駅から歩いて行ける距離にある、90年以上の歴史を持つ50.5haの広大な総合公園。春にはサクラ、秋には紅葉が美しく、エゾリスや野鳥たち、フクジュソウやオオウバユリなど豊かな野生動植物が見られ、多くの来園者で賑わいます。
「野草園」では十勝に自生する植物約380種を観察でき、8haの芝生広場「グリーンパーク」では都会で味わえない開放感を楽しめます。また、十勝の郷土史や自然史がわかる帯広百年記念館、道東にゆかりのある作品に出会える道立美術館のほか、おびひろ動物園や帯広市児童会館も多くの人々に楽しまれています。
まずは、公園の北西にあるビジターセンター「みどりと花のセンター」で公園の見どころをチェックしてから散策に出かけるのがお勧めです。
世の中には幻の食材というのが漫画の世界だけではなくこの世の中にも存在するんです。
その幻とも呼ばれる伝統野菜の練馬大根は、現在練馬区が復活をめざした取り組みを行っています。そこで今回は、具体的な取り組み事例や、幻と呼ばれるようになった原因、栽培方法などをご紹介します。
幻の伝統野菜「練馬大根」とは?
「練馬大根」は、練馬区で栽培されている伝統野菜です。まずは練馬大根が有名になった背景や、なぜ現在幻と呼ばれるようになってしまったのかについて、概要を紹介します。
画像:東京都練馬区春日町、昭和15年東京市長揮毫「練馬大根碑」(手前)と練馬大根の品種改良と普及育成に生涯をささげた「鹿島安太郎翁の顕彰碑」(奥)
イデア / PIXTA(ピクスタ)
練馬大根は、尾張大根と練馬の地大根との交配によって生まれたもので、江戸時代の元禄期頃に定着しました。練馬周辺の土壌は、関東ロームと呼ばれる褐色の赤土に枯れ葉の腐植でできた黒ボク土で大根の栽培に適していたことから、栽培が盛んになります。
その人気は「大根の練馬か、練馬の大根か」と言われるほどで、練馬は江戸100万人の人口を支える野菜の供給地として栄えました。練馬大根は白首系大根で、肉質が緻密で水分が少なく、身が締まっていて歯ごたえがよいのが特徴です。乾きやすいため干し大根に適しており、主にたくあん漬け用として栽培されています。
練馬大根はなぜ幻に?
練馬大根の生産量が激減した理由としては、大干ばつやモザイク病の大発生、食生活の洋風化、収穫の困難さなどが挙げられます。まず昭和8年の大干ばつにモザイク病の蔓延が重なったことで、生産量ががた落ちしました。
また、戦争が始まった当初は軍需用たくあんの需要がありましたが、国の統制経済によって大根栽培から米や麦の栽培に切り替えるように迫られたことで、練馬大根はさらに生産量が減少していきます。
昭和26年には統制経済が撤廃され、練馬大根の栽培を再開できるようになりました。その一方で青首大根の品種開発が進んだことで農家の多くが青首系の大根に移行しました。
練馬大根は地中深くに根を張るため長さが70~80cmほどもあり、引き抜きには強い力が必要です。
加えて、練馬大根は根が細いため折れやすく、1本を2人がかりで行うほど収穫が難しい野菜です。さらに食生活の洋風化が進み、漬物の需要が減ったことも相まって練馬大根の栽培が激減した結果、練馬区では現在、キャベツが主要農産物となっています。
今回は練馬大根が日本で栽培されてきた背景や、なぜ現在生産量が減少して幻と呼ばれるまでになったのか、また、練馬区が復活のために取り組んでいる事例などをご紹介しました。
練馬大根は収穫が難しい野菜ではありますが、区の取り組みもあって現在知名度が上昇しています。これからの練馬大根の活躍が楽しみですね(笑)
オンネトー
北海道三大秘湖の一つ、オンネトー。アイヌ語では「大きな沼」「年老いた沼」という意味ですが、一般的には湖の扱いです。日の射す角度や見る角度、季節や天気などによって一日に何度も色を変えることから、五色沼の異名を持っています。
オンネトーは阿寒摩周国立公園の最西端に位置し、雌阿寒岳の麓にある周囲2.5kmの美しい湖です。その美しさと原生の魅力が多くの観光客を惹きつけています。季節や天候、見る角度によって、澄んだ青、エメラルドグリーン、ダークブルーに色が変わる神秘の湖です。
湖畔西側には木造の展望デッキがあり、雌阿寒岳と阿寒富士を背景としたオンネトーを一望できます。湖畔周辺には散策路が整備され、原生林に囲まれた手つかずの大自然を満喫することができます。
周辺にはオンネトー湯の滝、雌阿寒温泉や登山の基点にもなる国営野営場(6~10月末まで)があります。令和4年6月からは野営場に隣接してオンネトー野営場休憩舎がオープンし、野営場利用受付、観光案内、休憩所、アウトドア等物品の販売・レンタル、軽飲食提供などが行われます。
他にたとえようのない、青とも緑とも言いがたい独特の色で、風のない日には雌阿寒岳と阿寒富士を湖面にくっきりと映し出す様がとても美しい湖です。
周囲には木道も整備されているので散策が楽しめますが、ヒグマの生息域でもあるので食べ物を持ち込まない、ゴミを持ち帰るなどのマナーが必要です。
今ブログでよくご紹介する通り、国内の農業現場では、高齢化の進行や後継者不足による労働力不足が深刻化しています。
一方、熟練者の手作業でなければできない作業も多く、省力化も営農上の重要な課題です。農業現場の課題を技術革新によって克服するために、スマート農業の推進が始まりました。
無人トラクターをはじめとする、GNSSの測位情報を利用して自動走行するロボット農機(スマート農機)を活用する農家も増えています。実用化されているロボット農機の一部を紹介します。
無人トラクターとは、専用のタブレットPCで登録した作業エリアと走行モードに基づき、自動で走行するトラクターです。無人走行に対応するため、レーザーや超音波ソナーで障害物を検知するしくみや、ほ場の外周に合わせて旋回できる自動操縦機能も搭載しています。
無人トラクターの位置は、GNSSから受信する位置情報と地方自治体・JAなどが設置する基地局から受信する補正情報により高精度で特定され、誤差は数センチ以内です。GNSSとは衛星測位システムの総称で、GPSも含まれます。
現状では、ほ場周辺での有人監視下における自動走行に対応しています。将来的には、遠隔監視による無人走行やほ場間の移動にも対応できる予定です。なお、2020年に道路運送車両法が改正され、灯火装置や反射器の装着など一定の条件を満たしたトラクターであれば、作業機を装着したままの状態で道路を走行できるようになりました。
無人トラクターでできること・メリットは
無人トラクターは遠隔操作での運転だけでなく、作業者が乗った状態での自動運転にも対応しています。あぜ際の回り耕など有人での操作が必要な工程は残るものの、熟練者でなくても精度の高い作業ができるので、農作業の省力化につながるのがメリットです。
無人トラクターと有人トラクターとで協調作業を行ったり、別の農業機械を操作しながら無人トラクターの作業状態を監視したりできるので、作付面積が広い農家でも効率よく作業を進められます。
また、従来の有人トラクターと同様に耕うん・耕起用のロータリーなどの作業機も接続可能です。作業機の動作も専用のタブレットPCでコントロールできるトラクターもあります。
無人トラクターの導入により、労働力不足や農業技術の承継などの課題を克服しながら、ICT技術を活用したスマート農業を実現できます。有人運転の農業機械と協調作業を行うことで作業効率が高まり、営農規模を拡大できた農家もみられます。
無人トラクターの価格は最低でも1000万円台前半と高価ですが、省力化や収益拡大など機械の導入によって得られるメリットは大きいですね。