-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
被害額が50億円【令和4年】
とてつもない金額はなんの被害額でしょうか。
エゾシカの被害額です。🦌🦌
北海道における野生鳥獣による農林水産被害額は50億円となっており、そのうちエゾシカは40億円と8割を占めています。
ただでさえ深刻なエゾシカ被害ですが、最近、さらに今までにない動きが現れ始めています。
今回はこの「エゾシカ」について深掘りしていきましょう。
エゾシカはその名の通り、北海道に生息するニホンジカの亜種です。
本州に生息するホンシュウジカよりも体格が大きいとされています。かつては雪が少ない道東(根室、釧路管内)が分布の中心でしたが、昨今は道央(札幌近郊など)でも見られ、農作物被害だけでなく、電車との交通事故など、人間との軋轢が長く問題視されています。
一方で、ジビエ(野生鳥獣肉)としての利用も進んできており、レストランや北海道内のスーパーなどで見かける機会が増えています。
被害が増加傾向にある中で注目されているのが、「道南地域」です。🦌
道南地域は北海道の南西部、渡島半島周辺の地域のことで、有名な町としては函館市があります。
北海道内の中では比較的温暖で、積雪も少ない地域といわれています。
では、なぜこの道南で被害が増えているのでしょうか?
1,温暖化による積雪減少
もともとエゾシカは積雪が多いエリアを避け、道東に多く分布していました。
ですが、昨今の積雪減少に伴い、徐々に生息域が西側に拡大しています。道南も雪が少ないエリアのため、今後エゾシカが徐々に移動し、被害がさらに増えることが懸念されています。🍎🍏
2,狩猟者の減少
狩猟者とはハンターのことです。わなや猟銃をもって野生動物の狩猟を行います。
近年、この狩猟者の減少と高齢化により、野生動物への捕獲圧(ハンターが狩猟する量)が減少傾向にあります。
こうしたことも、防護柵が普及しても、根本的な数が減らないため、被害が減少に転じにくい原因の一つとされています。🍠
3,電気柵などの対策がまだ不十分なエリア
道南はもともとエゾシカの生息が少ないエリアのため、電気柵などの対策が講じられていない田畑が多いことも、被害額が増加している要因とされています。
対策を講じることで一定の効果は見込めますが、エゾシカは移動する生き物のため、限られた地域だけでなく町や地域全体で対策を検討していく必要性も、今後高まっていくでしょう。🦌🦌
また、エゾシカの被害を作物別にみると
牧草が18億6700万円
水稲が3億7600万円
ビートが3億5300万円
道野生動物対策課は「平成30年以降、国有林での狩猟が一部制限されたことや新型コロナで道外からのハンターが減ったことによるエゾシカの個体数の増加が背景にあるとみられる。侵入防止柵の整備など対策を徹底していきたい。」としています。💻
いかがでしょうか。
エゾシカの被害はかなり深刻です。北海道の豊かな生物多様性の保全とその持続可能な利用を図っていかなくてはなりませんね。🐻🐻