食品の輸入に依存し、輸出額が少ない日本
皆様も知っての通り国内の食料自給率は長年減少傾向にあり、一般消費される食品や食料減量など、多くの部分が輸入に依存しています。
一方、食品生産額に占める輸出額の割合は少なく、農林水産省が発表した「令和3年度 食料・農業・農村白書」によると、令和3年(2021年)の農林水産物や食品の生産額に占める輸出額の割合は全体の2%となっています。アメリカ(12%)やフランス(28%)、イタリア(21%)と比較しても低い水準となっています。
諸外国と比較して、食品の輸出額の割合が低い日本ですが、日本の食品は日本在住の外国人からの評価が高く、輸出のポテンシャルは高いといえそうです。
2016年に独立行政法人日本貿易振興機構が発表した「日本在住外国人による品目別日本食品評価調査」では、「健康的」「味がおいしい」「安全性が高い」といった評価を得ていることもわかっています。
中でも、日本産の米を好む人は9割を超えており、トマトやジャガイモ(馬鈴薯)といった野菜も高評価を得ています。
農林水産省が公表した「令和3年 の農林水産物・食品の輸出額」によれば、令和3年(2021年)に、日本の農林水産物・食品の輸出額は初めて1兆円を突破しており、徐々に日本産食品へのニーズは高まっているといえるでしょう。
しかし、その内訳の大部分は加工食品や畜産品であり、米や野菜の割合はまだまだ低く、日本産作物の輸出状況は芳しくないのが実情です。
日本国内では、国産作物の安全性や品質の高さが、需要に繋がっております。
しかし、日本の人口減少や安い海外産作物の流通により、国産作物の国内での販売は、ますます競争が激化していくと考えられます。
前述のとおり、外国人からも高い評価を得ている国産作物の海外輸出が増加すれば、国内で需要を奪い合うのではなく、新たな市場で利益を獲得できる可能性を秘めています。
儲かる農業が実現できれば、効率的な栽培のための設備投資や人員増加も可能になるなど、国内の農業を活性化させる足掛かりとなることが期待できるのです。
次回は海外マーケット進出を成功するポイントをご紹介しますのでお楽しみに!