農業従事者の経営環境整備、現代の農業が抱えている構造的問題解決を目指す「農業競争力強化支援法」が2017年8月1日に施行されています。
生産費用の削減や農業所得向上を目的としたもので、そのメインには農業資材価格の引き下げや流通網の構造改革などが挙げられますが、「農家の大規模化」も推進されている農業改革のひとつとして注目されています。
拡大を目指す大規模農家と小規模農家のメリット・デメリットをご紹介いたします。
大規模農家メリット
・作業労働力時間の減少
・生産比喩の削減
・生産の効率化
特に生産品目数を絞り、大規模化を行えば、農業機材の性能をフル活用して効率よく作業を進めることができます。
昨今注目されている無人耕運機など、人の労働力を必要としない農業機材が登場すれば「耕作や田植え等の作業を機械に任せ、農業従事者は他の作業に専念する」という生産方法も期待できます。
デメリット
・歩留まりを考えなければならない
作業労働時間や生産費用が減少し、効率よく生産できる大規模農業ですが、大量に生産できるからといって農作物の品質や出来が悪くなるようでは意味がありません。大規模化すると”量”が得られます。
しかし当たり前のことですが、消費者に提供する以上”質”を忘れてはならないのです。
小規模農家のメリット
・リスク分散がしやすい
・高付加価値をつけやすい
小規模だからこそ、品目数を増やしてリスクを分散することができます。
今注目されている「小規模多品目栽培」ですね。
農地面積の狭い畑で、さまざまな農作物を植えることで、台風などの被害を受けても、一部の農作物が守られれば「出荷が0」という事態を避けることはできます。また小規模だからこそ、流通網も分散することができます。
デメリット
・労働時間の増加
・生産効率が悪い
・利益をあげにくい
農地面積が小さいと、農業機械の性能をフル活用するのが難しくなります。
小さな畑に人の手で手入れすることになると、必然的に労働時間は増えますよね。
利益を大きくするなら作業を効率化して生産性を向上させることが重要なのです。
いかがだったでしょうか。大規模農家と小規模農家のメリット・デメリットのご紹介でした。
どちらかが悪いというわけでは全くありませんが、自身で合った働き方やビジョンを明確にした上で考えていくのがいいでしょう。
農業経営において重要なのは「自分の理想とする農業形態」「具体的な数値目標」だということです。