農業経営アドバイザーは、農業経営に関する専門的なアドバイスを提供する専門家として、農家やこれから農業に参入しようとする企業から注目されています。以前今ブログでも触れましたが今回は深掘りしてご紹介していきます。
農業経営アドバイザーとは、農業経営に必要な税務・労務・マーケティングに関する専門的な知見を活かして、農業経営の発展に向けた各種アドバイスを提供する専門家です。
株式会社日本政策金融公庫が運営する資格制度で、本店・支店と連携して融資相談の対応を行うなど、農業経営者を支援する一面もあります。
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で受験者数が少なめでしたが、例年800名前後が農業経営アドバイザー試験を受験しています。JAバンクなどの民間金融機関関係者や税理士・公認会計士といった、経営に関する知見を持った人の割合が多いのが特徴です。
農業経営アドバイザー試験の合格者は2020年時点で累計5,626名で、それぞれの職域で農業経営の支援に携わっています。少数ではありますが、農業資材を販売する企業の社員や現役の農家も農業経営アドバイザーとして活躍する事例も見られます。
農業アドバイザーの仕事は?
農業経営アドバイザーは、農家をはじめ就農希望者や後継者候補に対して、経営戦略の立て方やマーケティング手法などの情報提供を行います。
金融機関に所属する農業経営アドバイザーの場合は、融資相談や各種相談会を軸に支援を進めていきます。資金繰りの相談だけでなく、農家向けの融資商品の企画・提案を通じて農業経営の安定化や規模拡充につなげているのが特徴です。
近年では、農業への新規参入に対する支援や農業後継に関する相談事例も増えています。また、商談会や異業種交流会といったビジネスマッチングの場を設けて、農業の6次産業化の推進や地域活性化に取り組む事例も見られます。
税理士や中小企業診断士といった専門職の場合は、税務や企業経営などの専門性を軸に経営状況を診断して、農業経営の戦略を立てる支援を進めていきます。
金融機関の融資や自治体からの支援を受けるのに必要な、経営診断書の発行や経営改善計画書の作成支援にも取り組むなど、農業の事業継続にとって重要な立ち位置といえるでしょう。
また、6次産業化人材育成研修会や簿記記帳研修会などの場を通じて、農業経営の知識・技術を提供しています。
農業経営アドバイザーの資格を得るためには、所定の研修を受講した上で筆記試験・面接試験に合格する必要があります。金融機関関係者や専門職でなくとも、農業経営を支援したいという思いがあれば応募資格を得られる可能性がありますのでコンサルタント業務に進出したい方などは受験を検討してみてはいかがでしょうか。