前回はトラクターについてご紹介しましたね。
ある程度の規模で農業を営む場合、いろいろな作業に役立つトラクターの運転免許を取得することはほぼ必須でしょう。しかし、栽培する作物によってはそれ以外の免許や資格を取得しておいたほうがよい場合もあります。そこで、ここからは農業に役立つ免許や資格を5つ紹介していくので、参考にしてください。
農業機械士
農業機械士は農業機械の基礎的な知識や扱い方を習得していることを証明する資格です。近年、農家は大規模化・法人化する傾向にあり、それに伴って作業効率アップのために農業機械や施設の高性能化および大型化が進んでいます。そうした農業機械や施設を安全かつ効率的に使用できる技能者の育成を目的として、各都道府県知事が認定するのが農業機械士です。
農業機械士に認定されれば、農業機械の管理者や指導者として活動することも可能な指導農業機械士へのスキルアップもめざせます。なお、受験対象者は大型特殊自動車免許取得者のみとなっていますが、未取得者向けに同時取得できるコースもあるので必要に応じて申込を検討してください。
農業機械整備技能士
農業機械整備技能士、農業機械の点検およびメンテナンスに関する専門知識や技術を認定する国家資格です。トラクターやコンバインといった多くの農家が使う機械の整備における知識が身に付くので、農作業の安全や効率化に一役買うでしょう。
試験方法は学科と実技に分かれており、学科試験では農業機械の構造や整備方法だけでなく、農業一般に関する知識まで幅広く問われます。
実技試験は、電気回路の不良部分の判定など実際の現場で起こりそうなトラブルに対処する作業試験と、工数見積もりなどが出題されるペーパーテストの2つです。学科試験と実技試験は違う年に受けることも可能なので、知識の習得具合に応じて受験できます。
ボイラー技士
小規模および小型のボイラーしか扱わない場合は必要ありませんが、大規模な施設栽培を行う場合に取得を検討したいのがボイラー技士です。
資格の種類には特級および1級、2級があり、それぞれ扱えるボイラーの電熱面積や行える作業内容が変わります。
例えば、伝熱面積の合計が25平方メートル以上、500平方メートル未満のボイラーを使用する場合は、ボイラー技士免許の1級または特級を所持した人が取扱作業主任者として選任されていなければいけません。
自分がどの資格を取得すべきかは、認定機関である公益財団法人安全衛生技術試験協会のホームページなどで確認可能です。なお、受験資格として実務経験が必要になる場合もあります。
危険物取扱者
施設栽培を営む場合に取得しておいたほうがよい資格としては、危険物取扱者も挙げられます。こちらはボイラー技士のような機械整備ではなく、燃料となる重油を扱うために必要な資格です。
免許の種類には甲種、乙種、丙種の3つがあり、それぞれに扱える危険物が異なります。一般的な施設栽培を行う場合は、ガソリンやアルコール類、灯油、軽油などを扱える乙類第4種の取得がおすすめです。
各地域にある一般財団法人消防試験研究センターが認定しており、そちらへ申込書を提出することで受験できます。
産業用マルチローターオペレーター
近年注目を集めるドローンを使った農薬散布を行う場合に必要な資格が、産業用マルチローターオペレーターです。
ドローンを趣味で飛ばすのに資格は必要ありませんが、農薬散布など特定の用途に使用する場合は農林水産航空協会が指定する教習施設で講義を受講後、検定試験に合格しなくてはいけません。
講習は実技と学科の2種類が行われ、マルチローターの扱いから実際の農薬散布に使用する操作まで学習します。検定に無事合格したら農林水産航空協会長に推薦状が提出され、その後認定証が交付される流れです。
ただし、この資格を取得したからといって、直ちにドローンを使用した農薬散布ができるわけではありません。実際に散布するときは資格取得のほかに、航空法で国土交通省の許可が必要と定められていることは頭に入れておいてください。
いかがだったでしょうか。気になっている資格や免許はありましたか?皆様もこのブログを気に気になる資格や免許を探してみてはいかがでしょうか。