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農業機械に必要な免許とは?

トラクターを始めとする農業機械は、農業のさまざまなシーンで使用され、現代農業を支えています。しかし、農業機械のなかには特別な免許が必要なケースもあるので注意しなければいけません。

農業といえばトラクターですし、トラクターといえば農業ですよね!

 

まず、大前提として理解しておきたいのは、運転免許が必要になるのは基本的に公道を自動車や機械が走行する場合です。つまり、トラクターをほ場内だけで使用する場合、運転免許は必要ありません。

ただし、実際の現場では、「軽トラックに資材を積み込んでほ場まで運ぶ」「倉庫からほ場へトラクターで直接移動する」といった場合が多いことから、運転免許は取っておいたほうがよいでしょう。

なお、道路運送車両法においてトラクターなどの農耕用車両は、時速35km未満ならサイズにかかわらず小型特殊自動車に分類され車検は不要です。一方、時速35km以上出る農耕用車両は大型特殊自動車に分類され、車検が必要になります。

また、トラクターをほ場などの私有地でしか使わず、公道を一切走らない場合でも自動車税の申告をしてナンバープレートの交付を受けなくてはいけません。その際の申告先は小型特殊自動車の場合は市町村、大型特殊自動車の場合は運輸支局になります。

 

トラクターの運転免許で注意したいのが、道路運送車両法と道路交通法における扱いが微妙に違う点です。

主に車検や自動車税の区分を定めている道路運送車両法では、農耕用車両はサイズの違いの区分がありますが、車両区分は変わりません。

一方、免許や交通ルールに関して定められた道路交通法では農耕用車両についての区分はなく、道路運送車両法における小型特殊自動車のうち、「長さ4.7m」「幅1.7m」「高さ2.0m(安全キャブや安全フレームは2.8m以下)」「最高速度時速15km」のいずれかを超えたものは、大型特殊自動車に分類されてしまいます。

小型特殊自動車は普通免許でも運転できますが、大型特殊自動車の運転には大型特殊自動車免許が必要です。

 

 

農耕車限定の免許も用意されている

トラクターの運転に大型特殊自動車免許が必要だとわかっても、実際に免許を取得するには費用も時間もかかります。できるだけ効率的に免許を取得したい人におすすめなのが、農耕者限定免許を取る方法です。

この免許を取得すればトラクターなどの農耕車両に限り、大型特殊自動車に分類される自動車であっても運転できます。

農耕者限定免許を取得するメリットは、自動車学校だけでなく各道府県の農業大学校でも取得できるケースがあることです。

 

けん引免許が必要なケース

マニュアスプレッダーやロールベーラなどの農作業機をトラクターに装着した状態で公道を走行する場合は、別途けん引免許が必要になるケースもあります。

けん引免許が必要になるケースとは、農耕トラクターで車両総重量750kgを超える農作業機をけん引する場合です。

逆にいえば、車両総重量750kg以下の農作業機は、けん引免許がなくても「灯火器類の設置」や「運行速度(時速15km以下)」などの条件を満たせば、農作業機を装着およびけん引した状態で公道を走行できます。

 

今回紹介したように、農業に関する免許や資格はたくさん存在します。すべての免許や資格を取得する必要はないかもしれませんが、これから農業の現場で働くのであれば、さまざまな用途に使用できるトラクターを運転する免許は、ほとんどの人が取得しておいたほうがよいでしょうね!